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我が家の秘密基地を作ろう

2018.06.28

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豊かさとは何か?

1990年代に写真家が世界中の一般家庭に声をかけて、家中の物をすべて庭に並べ、家の外観と共に撮影した「地球家族・世界30か国の普通の暮らし」という写真集は国ごとの所有物と一般的な大きさのすまいが撮影されており、とても面白い写真集です。

リンク先は日本語のニュースサイトにリンクされていますので、一度ご覧下さい。

参照リンク 「Gigazine 2011年9月1日 https://gigazine.net/news/20110901_families_and_their_possessions/」

その中で、日本の東京に住む一般家庭とその所有物を撮影した写真は先進国の中では小さな家に対し、非常に多くの「物」が写っていておそらくこの30か国の中では最も所有物が多い事が判ります。

対して仏教国であり、世界一国民の幸福度が高いと言われているブータン王国の一般的な家庭と、その所有物を撮影した写真は小さなテーブルに乗る程度の、宗教用品と、衣類、農機具だけでした。

物が多い日本人の方がブータン王国より幸福度が高いのではない事は誰もが判る事だと思います。

経済が発展し、身の回りに物が沢山あふれていくと人間の脳は「幸せ」を感じる基準を求める傾向があるようです、たとえば○○さんが持っているからとか、持っていないからなんて事が物を手に入れるとき、基準の一部になっていたりしますよね。

物を買うために利便性を求め、性能の良い家電製品や

便利な道具を求め、それを買うためにさらに働き、

物が手に入れば周囲の家庭より貧しくない事を確認して

安心しているのかもしれません。

「年収は800万円を超えると、幸福度は殆ど上昇しなくなる。」という研究結果があります。

この800万円という金額は、子育て、毎日の食事、たまに出かける外食、車などの交通費やきれいな衣服、

そして趣味にかける費用が、平均より高いと認識できる額と言われています。

ですから、その額を超える2000万円でも1億でも、かける費用一つ一つを高級・高額にしていったとしても、幸福度はあまり上昇しないという事なのです。

誰かにご馳走になるでのは無く、自分で支払う前提で、

しかも一人で食べる前提であれば、今日のランチはコンビニの390円の弁当でも、レストランで5000円のランチを食べても、額は10倍以上でも幸福度は10倍にはならないというわけです。

欲しい物があって、それを手に入れれば少しでも幸せになれるという気持ちは、平均との比較だけであり、本当は愛する家族がいて、お腹がすいたらごはんがあって、愛する家族が安心して住めるすまいがあって、健康に働けて、それが良い事とされる基準さえ満たしていれば、十分に幸せなのです。

世界長者番付で有名な「フォーブス」の常連、2015年の世界三位の投資家ウォーレンバフェット氏をご存知でしょうか?

世界一の投資家であり、 東日本大震災後の2011年11月には私達が住む福島県いわき市にも来たことがある人物です。

彼の総資産は9兆円もあるそうですが、そんな彼が住むのは60年も前に320万円で購入した家、乗っている車は300万円程で購入したスバルレガシィ。

彼は「価格と価値は違う」と語っています。

「価格」とは物を購入した時の対価であり、

「価値」とはそれを手にした時に得られる物

投資家として世界一の人物の言葉です、とても奥の深い言葉ですよね。

「価値」がそれを手にした時に得られる物と考えるからこそ彼は、移動する手段として超高級車に乗る事より、機能性と信頼性に優れたスバルに乗る事を選ぶのでしょう。

バフェットの言葉や世界家族の写真家が写した写真からも、私達の生活の中にある「幸福度」について考えていくことが出来ると思います。

人間は意識を変える事で人生の豊かさは高まるのです。

旅行に行って、今まで見たこともない景色を見たとき。

一人で静かな書斎で読書をしているとき。

部屋を暗くして、重低音で大好きな映画を見ているとき。

風に揺れる水面に釣り糸を垂れているとき。

真っ青な空の下、ボールをクラブで叩くとき。

愛犬や愛猫に顔中を舐めまわされているとき。

友人が集まり、他愛もない会話を続けているとき。

自分の体が健康で、何物にも束縛されることなく、だれからも批判されずに自分で決めた時間の過ごし方が出来ている、または一緒にいる友人や家族が、同じ思いでいる事が、何も話さなくても伝わった瞬間、幸せを感じるのではないでしょうか?

意識してこの時間は作るべきであり、この時間のために努力できるはずです。

年収800万円で平均以上に得られる物の豊かさと対照的に、自分自身、あるいは家族の誰かが家族のために努力するだけで幸せと感じる時間は簡単に訪れるのです。

住宅会社がこんな話しをしたら、質素倹約をすすめるだけの話に聞こえるかもしれませんがそのつもりは 住宅建築はもっと夢にあふれた物であるべきで、住居費

としての出費を安く抑えられれば、そのほかの事にお金を

まわせるという考え方は、対価として得る物が極端に減ってしまうわけです。

40年後に価値が残らないような買い物に投資することになります。

私達は、住宅の設計には前出のように幸せを感じる時間を過ごすことを意識的に計画し努力することから始まるべきだと考えています。

住まいには、「誰と?」「どのような感覚で?」「何を?」という設計テーマが必要なのです。

誰と?

最愛の妻と、最愛の子供達と、尊敬してやまない親と、

どのような感覚で?

暖かい、涼しい、美味しい、楽しい。

いや、暑い、寒い、という感覚でさえも。

 

何を?

食事をしたり、考え事をしたり、

相談したり。大好きな事に没頭したり。子育ての感動を

感じたり。

そんな「場所」を設計することが大切だと思っています。

旅行の計画と一緒です。

おいしい物を食べる場所を決めて、きれいな景色を見るために立ち寄る場所を決め、快適に寝れる宿を予約して。

そしてその旅行が終われば、家族の心にはとても大切な思い出という資産が残るのです。

建物であれば、その思い出が建物にも染み込み、使い古された道具になった住いでも、思い出という資産が残るのです。住む人の思い入れがいつまでも価値を高めていくのではないかとも思います。

家を建てるとき価格と価値が違う事を意識してください。

高級な煉瓦や陶器の外壁より、すまいから得られるものが自分の心をどれだけ幸せにするかを考えて、そして願いをしっかりこめて作れば、それは何物にも代えがたい資産になるのではないでしょうか?

 

それこそ自己投資です。

「価格」が下がらないことに投資するのではなく、「価値」が下がらないことに投資をすると考えると判りやすいでしょう。

 

私達は「快適で楽しい空間を真剣に考える」という理念のもと、そこに住む家族が価値の下がらない空間で

「豊かな生活」を送れるように、お客様と一緒に意識的な幸福を追求しています。

「我が家の秘密基地」という場所は、お客様ご家族が

これから建てるすまいでどうやって幸福な感覚を得るか?という旅行の計画と同じだと思ってくださればいいのかなと思っております。

 

有限会社 すまい倶楽部

スタッフ一同