小屋裏部屋
思い出を捨てずにずっとしまえる場所
たとえば、お子さんが小さいころに撮った写真のアルバムやCD・DVDディスク。
ご夫婦それぞれに結婚前から持っている小学校からの卒業アルバム。
旅行の思い出。
子供が学校から持ち帰った工作物や絵画。
息子たちが小さいころにおじいちゃんおばあちゃんから買ってもらったおもちゃや絵本。
きっと何年かしてそれを見たら感動するような大切な資産です。
でも、それらも収納が無ければ箱に入れてしまうだけ。
場合によってはデジカメで撮影してそのまま捨ててしまうなんてことも聞いたことあります。
ここでご紹介している小屋裏部屋は、単に物置としての部屋ではなく、そこに暮らす家族の歴史ミュージアムとしての小屋裏部屋でもあります。
もちろん、収納としての広さは家の中でも一番と言える程広い場所なので、大量の荷物が仕舞えます。
紙やディスク等、湿度管理が必要なものは、庭の物置にしまってしまうと、劣化してしまいますが、このスペースならその心配はありません。
なのに、固定資産税がかからないようにすることもできる。(居室と認められなければ)
敷地や建物面積の有効活用を考えたとき、一階と二階の間に設ける中二階よりはるかにコストが安く、スチール物置と同程度の金額で建てられるこの空間をとり入れてみてはいかがでしょうか?
施工事例写真
電動タラップで上がる屋根裏部屋には天窓があり、天窓から階下のキッチンへ光が注ぐように設計されている。
透明な板は10㎜のABS樹脂でできているため、上っても割れる事は無い
壁面に大量に単行本をしまえる書庫を作った例
読書をするスペースとしても使える屋根裏部屋
屋根の三角部分に取った屋根裏部屋
屋根裏部屋は天井高を1.4m以下にすることで三階建てが建築不可の場所にも設置ができる。
この部屋はご主人の趣味や家族の思い出を置く場所として活用している。
下の部屋と壁の隙間を開けて光を取り込むこともできる。
収納空間としての屋根裏部屋やロフトとしては、天井高1.4m以下、下部階の面積の1/2までの面積が可能で
当然構造のチェックも必要になるが、とても広い収納空間としても活用できる
屋根裏階までは固定階段で上がることも可能。
この方が重い荷物を上げるのが容易になるため、採用率は高い
実はそのまま屋上に出られる屋根裏部屋の場合、天井高の制限は無くなる。
ペントハウスや通路としての規定になるからであるが、この場合下階の面積の1/8までとなる。
二階リビングでなおかつ屋根裏と屋上へ行ける階段。
パーツ
天井収納ハシゴ 約13万円~(税別)
使わないときは折りたたんで天井に収納できるユニット。
動作補助の為のスプリングがついているため、女性や子供でも上げ下げしやすいが、引張棒をなくすと開けられなくなるので保管に注意。
スペース効率が良く、折りたたんでいるときは下部を通行できるためどこにでも設計できるメリットが
固定階段 240,300円(税別)※材料代 面積増加費用は別途
登り切った場所の天井高さに工夫が必要で、やや設計が難しいが、重いものも上げ下げしやすい。
安全に上り下りしやすいため、毎日使うような小屋裏部屋に適した階段。
床材に合わせて、合板タイプと無垢タイプあり 場合によってはデザイン階段も可能です。
天窓(トップライト)
LIXIL 05405サイズ
FIX 約5万円 手動 約6万円 電動 約10万円
光を取り入れる率では南面垂直窓の3倍光が入る
また、開け閉め可能な物だと、暖まって空気はこの窓から外部へ放出されるので、夏季は室内温度を下げる効果が高い。
法規上はこのサッシ部分のみ天井高1.4mを超えても小屋裏の規定内になります。
小屋裏設計実例
設計上の注意点は、屋根の一番高いところにハシゴや階段を持ってくること。それが出来ないと、ハシゴを上がれても小屋裏部屋に入りにくい設計になってしまいます。
どうせなら景色の良い場所に設計したい小屋裏部屋ですが、その方角の小屋裏空間が広く
確保できるようにするために、斜線制限や建物高さ制限など法規のチェックも重要です。
ノウハウ
数々の映画で、小屋裏に宝物が隠されているというシーンが出てきますが、そこに住む家族が思い出の保管場所として使うスペースとして最高の場所と言えるのではないでしょうか?
法規上も天井高1.4m以下で設置階面積の2分の1までは法床面積に算入しないという規定により、狭小地などでも広い収納が可能になります。
居室として使用しなければ固定資産税も課税されません。
夏の日差しは屋根の温度を上昇させて、その裏にある小屋裏空間の空気温度を上げてしまいますが、実は断熱施工した小屋裏空間を設けると、二階温度が低くなります。
夏期、建物が熱くなる一つの要因として、太陽光により熱せられた熱気が小屋裏空間に滞留し、それが天井を伝って輻射熱として二階の室温を上げ続ける現象がおこります。
断熱区画だけではなく、部屋として広い容積を持った小屋裏部屋やロフト空間があると、二階の室温が上昇することを防ぐ効果があります。
収納として申請するなら法規チェックを忘れずに
①設置する階の床面積に対し、1/2の広さを超えない事
②天井高さが1.4mを超えない事
③原則小屋裏部屋へは換気以外の窓は認められない
換気の為の窓は小屋裏物置等の部分の水平投影面積の1/20
かつ0.45㎡以下であること
④小屋裏部屋内部に収納(物入れ等)を設けない事
⑤電話、テレビ、インターネット等のジャックは設置しない事
⑥床は畳、絨毯、タイルカーペット等にしない事
⑦エアコン等の空調は設置しない事
⑧上記以外にも居室などに使用される可能性がある仕様にはしない
①~⑧の規定を守れば、階数としてカウントせず、課税される床面積にも参入されません。
この基準内であれば、外に物置を置くより資産税等の経費を考えると安上がりであると言えるでしょう。
(ご家族への言い訳にお使いくだい。)
汎用性の高い用途のある空間なので、ご家族で反対される方は少ないと思います。
コストの面では、建築後に外物置を置かれる方が非常に多く、外物置は固定資産税が課税される事になります。
非課税の範囲で建築すれば、ランニングコストを下げ、且つ収納量が多い家として価値も高まります
小屋裏部屋を建築する費用(目安)
小屋裏面積
9.7畳(21㎡)固定階段 天窓無し 約1,152,000円(税抜)
4.5畳参考価格 固定階段 天窓無し 約737,000円(税抜)